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zerosant blog

鎌倉殿の13人 第34回「理想の結婚」

源実朝の嫁取り工作を軸にして、その裏に不穏な気配を漂わせる回でしたね。

平賀朝雅による京での実朝の嫁取り工作と並行して、義時の継々室の嫁取りの話題も進んでいきます。二つの縁談の裏側には、どす黒い野心が垣間見えてきます。

これまで無害な好々爺でしかなかった時政が、執権の地位に就いてからは独断専行に走るように。前回までの血生臭い雰囲気とは打って変わってコメディパートが多かった今回は、時政の調子乗りターン。ここまでのキャラ付けも相まって、ノリノリムーブがよく似合いますね。

その対比として、時政執政の被害を被ることになる畠山重忠の緊迫感、そして朝廷の陰謀。

武蔵問題に端を発する畠山の乱、とまらない時政夫妻の暴走をねじ伏せることになる牧氏事件、それによって、鎌倉を操るための手先として算段していた平賀朝雅を失うことになる朝廷。こうして承久の乱への道筋が、徐々に見えてきました。

義時の縁談相手である二階堂殿の孫娘は、明らかに地雷臭を漂わせていました。にも関わらず、鎌倉武士たちはその裏の顔を見抜けないでいます。すでに義時死後の伊賀氏の変における野心を思わせるようなこの娘は、後の世の北条氏にとって欠かせない政村流・金沢流の祖を産むことになります。

せめてもの救いである実朝の教育パートも、その末路を想うともの悲しいですね。団欒で囲む鹿鍋も、なんだか不味そうにみえてしまいました。