Una carta personal.

zerosant blog

2022年の振り返り

大掃除を諦めました。

最近はやるべきこともやりたいことも山のように多く、日常をモヤモヤしながら追われて過ごすことが増えてしまいました。せめて脳内の大掃除を完了してから新年を迎えたいと思いましたので、簡単に今年あったことを振り返っておこうと思います。

スターフェスティバル

最初にスタフェスでの仕事の話を少しだけ振り返ります。

昨年夏から今年の2月まで行っていた開発が終了し、3月から新たな体制で基盤系の開発がスタートしました。

既存基盤システムのリプレイスに本格的に挑むこととなったわけですが、底知れぬ「未知の未知」の膨大さに戸惑い続け、8月初旬の初回リリースに至るまで「これ本当に終わるのか?」という不安と闘いながら過ごしていました。それでもなんとか形として出せたことがとても大きな一歩であったと感じます。

また、10月からスタフェスで「Radio STAFES」というPodcastをはじめました。スタフェスで働く人たちの肉声を届けることで、社外の方々によりスタフェスのことをイメージしてもらいやすくなるといいなと思います。「スタフェスおくのほそ道」というインタビュー企画を中心に、今後もたくさん発信してまいります。

The Retreat Time

今年の4月末から、サッカーに関する雑談をテーマとしたPodcastThe Retreat Time!!」をはじめました。

居酒屋でのサッカー談義はとても楽しいもので、時間を忘れて話し込んでしまうことがよくあります。たまに居酒屋でやる程度では飽き足らず、頻繁に雑談したい、ついでにそれを色んな人に聴いてもらえたら仲間が増えるかもしれない。そんな発想から、欧州サッカーのシーズン終盤というタイミングではありましたが、新しい試みをスタートさせることになりました。

思いつきで走り出したこのPodcastですが、年末の今に至るまで苦もなく継続することができています。なにをするにも長続きしてこなかった私ですが、珍しくモチベーションを保ち続けているだけでなく、今後話したいことも次々と頭に浮かんできております。

またこのPodcastをきっかけに新たな挑戦(これはまた別で書くかもしれません)に取り組むこととなったりと、他の行動にもよい影響を与えてくれています。

楽しく続けていけそうなものが見つかったことは、この1年の大きな収穫であると感じています。

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読書

読書のやり方も少しだけ変えてみました。

これまでは記録などはつけずに、ただ気になった本を適当に選んで読んでいましたが、今年からは読書メーターというサービスに読んだ感想をメモするようにしてみました。

これをはじめた理由は、私の記憶力の乏しさにあります。

過去に本を読んでいたとして、まず何の本を読んだのか覚えていられない、それを覚えていたとしても、本の内容を覚えていない、内容を覚えていたとしても、それを読んでどう感じたのかを覚えていないという状態が長く続いておりました。

なにかしら記録しておかないと勿体ないとは思いつつ、読書のハードルを少しでも上げてしまうと面倒くさくなって本を読まなくなってしまいます。記録するのは二言三言くらいでもいい、とにかく手軽に振り返られる、ハードルを上げすぎないツールを求めていました。

読書メーターは、それをほぼ完璧に満たしてくれる理想的なサービスだと思います。それだけでなく、読んだ本を可視化してくれたり、読みたい本や積読本を管理できたりする機能もあります。私は特に、他の読書好きの方々がどんな本を読んでるのかを参考にしてそれを読んでみるのが好きなので、すべての読書好きの方にはこのサービスを使ってもらいたいと思っています。

bookmeter.com

W杯

1年の最終盤にこのビッグイベントを迎え、熱狂し終えた今となっては燃え尽き症候群に苦しんでいるところです。

今大会は、学生だった頃に体験したブラジルW杯と同じくらい濃厚に楽しむことができたと思います。社会人でありながらこれが可能だったのは、間違いなくフルフレックス&フルリモートという働き方のおかげだといえます。

確かに睡眠不足ではありましたが、特に無理を重ねる必要もなく、仕事に特段の支障をきたすこともなく、かといって観たい試合を妥協することなく、ほぼ全試合を追いかけることができました。

W杯の内容についてはPodcastの方で話しているので、興味のある方はぜひそちらも是非聴いてみてください。

総括

振り返ってみると意外にも「これをやった」と言えることがいくつかあったので、自分としてはよい1年であったなと思います。

来年以降にやりたいことも頭の中にあり、年越しを前にして気持ちが昂っています。それはまた別の機会にお伝えできればと思います。

今年1年本当にお世話になりました。よいお年をお迎えください。

Mata Gigantes

"Mata Gigantes"

日本語でいうと「巨人殺し」、つまりジャイアントキリングのことです。

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カタールW杯のグループステージが終了し、すでに決勝トーナメントに突入しています。

Podcastのほうでも話しましたが、いろんなことがあったグループステージの感想をここにも少しだけ書いておきたいと思います。

タイトルにも書いてある通り、今大会はジャイアントキリングと呼ばれるようなアップセットが目立っています。

まずその狼煙を挙げたのは、グループCのサウジアラビア代表でした。優勝候補のアルゼンチンを相手にスーパーハイラインを敷き、無謀とも思えるような戦い方で見事に勝利を収めました。

なにより驚いたのは、ドイツ vs 日本の一戦です。世界中の誰もがドイツの勝利を予想していたところかと思いますが、日本代表の死んだふり作戦により後半の奇襲が致命的なダメージを与え、奇跡的な勝利をあげました。ご存じのように、日本代表は第3戦でスペイン代表を相手に同様の展開で勝利を挙げており、奇跡ではなく再現性のある勝利だということを証明することに成功しました。

グループFの第2戦では、北アフリカのモロッコが強豪ベルギーを打ち破りました。パフォーマンスが落ちていたとはいえ、腐ってもベルギーです。タフに守り、鋭く攻めたモロッコの勢いは、決勝トーナメントでも不気味な存在感を放つことになるでしょう。

第3戦は、ターンオーバーを敷いた強豪国が格下相手に敗れる試合が目立っていました。

フランスはチュニジアに、ポルトガルは韓国に、ブラジルはカメルーンに敗れています。かつてはターンオーバーを敷いても楽勝で切り抜けることができるイメージがあったのだと思いますが、こういったところをみても強豪国が楽をすることができないような情勢図に塗り変わっているのだと思います。

大陸間の差は縮まっているのでしょうか。4年後の大会からは出場国が48に増え、さらに大陸ごとの色が見えてくることになります。今からそれが待ち遠しくてなりません。

とはいえ、ワールドカップのメインディッシュはここからです。決勝トーナメントを味わい尽くしていきましょう。

カタールW杯予想

いよいよカタールW杯の開幕が近づいています。Podcastで今大会に関する様々な予想をしたので、ここにも記録しておきます。

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日本代表

日本代表はグループEで、ドイツ・スペイン・コスタリカと同居することになりました。過去のチャンピオンが2カ国も入っているのはこの組だけなので、日本から見ると死の組のように見えますが、世界的に見ればこのグループは2強2弱です。日本に勝ち上がって欲しい気持ちはもちろんありますが、予想としては厳しい結果になると言わざるを得ません。

vs ドイツ

2-0 Lose

緒戦ということもあり、ドイツも慎重な入りを見せることが予想されます。前半の終わり際にハヴァーツのゴールでドイツが先制して折り返し、後半は日本が前がかりになったところをカウンターで大ピンチを迎えます。そこでPKを献上してしまい、ギュンドアンがPKを決めるという未来を予想しておきます。試合の展開は特に戦術を検証したわけではありませんので、妄想の域を出ておりません。

vs コスタリカ

1-1 Draw

この試合だけはなんとしても勝ち点3が欲しい、と思っているチーム同士の一戦になります。コスタリカがとても固く守ってくることが予想され、ブラジルW杯でのギリシャ戦のトラウマが蘇るような展開になるのではないかと思っています。この試合で得点を挙げるのは、日本代表は久保建英としておきます。引いた相手をライン間で受けて崩すプレーを期待したいです。コスタリカ側の選手はよく知りませんが、リーガ好きとしては過去にリーガで活躍したオスカル・ドゥアルテがセットプレーからヘディングでゴールを決めるような展開になってくれたら嬉しいです。

vs スペイン

3-0 Lose

スペイン代表を推している私にとっては、この試合をどう予想するか非常に難しいものでした。しかしルイス・エンリケFCとも呼ばれている今大会のスペイン代表は、クラブチームのような強さを誇るのではないかと期待しています。とはいえ日本もしっかり守ってカウンターを打つスタイルで戦うことになるので、スペインが攻めあぐねる展開になると思います。その均衡を打ち破るのは、我らがレアル・マドリーから招集されたマルコ・アセンシオです。東京オリンピックでも日本戦でゴールを奪っている、日本にとっての天敵です。アセンシオの2ゴールとCソレールのゴールにより、スペインの圧勝と予想します。

Group E 予想総括

残念ながら日本代表は、1分2敗で3位or4位となり、グループステージで敗退となると予想します。1位通過は、ドイツvsスペインの直接対決を制した方、私の予想ではドイツ代表としておきます。

優勝&ベスト4予想

まずはベスト4の予想です。

ブラジル

優勝予想は、ブラジルとします。大本命であり、ブラジルが負ける姿が想像できません。タレントが揃っており、ネイマールも脂が乗った年齢だということもあり、最も優勝に近いのではないかと思っています。20年ぶりの優勝によって、過去20年の欧州優勢の情勢図を塗り替えてくれることを期待しています。

アルゼンチン

アルゼンチンは、グループCではまず1位通過すると思います。このグループでアルゼンチンを上回ることができる存在はいないような気がします。1位通過した場合、決勝Tの組み合わせにも多少恵まれているように思います。ベスト4までは危なげなく上がってくることが期待できます。準決勝でブラジルvsアルゼンチンが実現します。これは楽しみです。

デンマーク

デンマークは、今大会のダークホース枠としてベスト4予想にねじ込んでみました。EURO2020での活躍は記憶に新しく、あのストーリーをもう一度見てみたいものです。エリクセンも復帰し万全のデンマークは、グループDでフランスと同居しています。デンマークネーションズリーグでフランス相手にダブルを達成しており、恐るるに足らないものと思います。またフランス代表については、過去4大会の王者が次の大会でグループステージで敗退しているジンクスを踏襲すると考えています。グループDは1位デンマーク、2位がオーストラリアと予想します。

スペイン

スペインは、本当ならばベスト4予想にいれるほどの完成度ではないと考えていましたが、メンバー発表会見でのルイス・エンリケの振る舞いで一気に期待感が高まりました。また前述のようにグループEで2位通過すると考えた場合、ブラジルのいない山でスペインを扼する可能性があるとすれば、ベルギー・クロアチアポルトガルあたりです。この辺りとスペインの相性は決して悪くはないので、意外とベスト4までは上がってきそうな予感がしています。

得点王

得点王はアルゼンチン代表、ラウタロ・マルティネスと予想します。

得点王を予想するに当たって、過去の得点王について調べてみたところ、意外な事実に気づきました。実は優勝国から得点王が出ることは珍しく、直近では2010年の南アフリカW杯で4人が並んで得点王になったことを除けば、2002年の日韓大会でのブラジル代表ロナウドまで遡ります。さらにその前となると、1978年アルゼンチン大会で優勝したアルゼンチン代表から、マリオ・ケンペスが得点王に輝いています。

得点王を出すチームというのは、得点源が依存しているということが言えると思うので、そういう状態のチームが優勝するのは難しいということなのかもしれません。

今回の私の優勝予想はブラジル代表なので、得点王はブラジル以外から選びたいと思います。なかでも有力なのは、毎大会ゴールを量産しているアルゼンチン代表です。メッシが注目されがちですが、南米予選でメッシと同じくらい得点を決めているラウタロ・マルティネスの活躍に期待を込めて選ばせていただきました。

期待

以上、予想という形をとった、単なる期待がほとんどを占めています。予想する時間というのは本当に楽しいもので、あっという間に時間が溶けてしまいます。来るべき寝不足の日々に向けて、英気を養いたいと思います。

ザックジャパンと2014

過去のW杯のうち、私が最も濃密に追いかけて過ごしたのが、2014年ブラジル大会です。

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ザックジャパンが始動した2010年8月、当時高校3年生だった私は、2010年南アフリカワールドカップの熱狂をそのまま引きずる形で日本代表への関心を高めていました。おそらく私以外の多くの日本人サッカーファンが同じ思いを持っていたのではないでしょうか。

その期待に応えるかのように、ザックジャパンは初陣となるアルゼンチンとの親善試合で勝利を収めます。南アフリカで準優勝に輝いたアルゼンチンを親善試合とはいえ下したという事実が、その後の日本代表の人気にも大きく影響したことでしょう。

その後、受験を終えて晴れて大学生となった私は、大学生活と並行してサッカー観戦にどっぷりとハマっていくことになります。夜勤バイト生活と欧州サッカー観戦の親和性は非常に高く、リーグ戦やチャンピオンズリーグの試合も追いかけるようになりました。またその頃には Twitter が急速に普及し、地上波で中継されている日本代表の試合を自分以外の日本中のサッカーファンが見ている、という状況が可視化され始めました。

ザックジャパンはといえば、2011年初頭のアジアカップで優勝、その後のアジア予選でも順調に勝利を重ねており、順風満帆の成績を収めていました。日常生活でもサッカーファンの友人とサッカーについて語り合いながら、当時の私にとっては自分史上もっとも心待ちにした大会、ブラジルW杯を迎えることになります。

ブラジルW杯で、ザックジャパンは緒戦のコートジボワール戦を落としました。本田圭佑のゴラッソで先制した瞬間、私は涙を流すほどに喜んだのを覚えていますが、その後に流れた嫌な空気と、ドログバが投入された瞬間の死の恐怖もまた、いまだに忘れられないでいます。

その後、ザックジャパンへの期待の高まりとそこから落胆するまでの流れはよく検証され、アタッキングなサッカーを目指し、理想を追求するだけでは世界と戦うことはできないことが確認されました。

その時期多くの日本人サッカーファンを虜にしたザックジャパン。応援していた人もその分だけ多いと思います。本大会の結果は散々なものではありましが、私がかつて最も心を寄せていた日本代表チームとして、今も記憶の中で輝き続けていることに変わりはありません。願わくは、それを上回る魅力を備えた新しい日本代表が登場することを祈るばかりです。

日韓W杯の記憶

人生ではじめて体験したW杯は、20年前の日韓W杯でした。

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当時の私は小学生で、サッカーというスポーツについては、プロ野球と同じようにお金をもらってプレーする選手がいるということしか知らないほどでした。1試合丸ごと観戦したこともありませんし、当然自国開催のW杯がどれだけ貴重なものなのかを理解しているはずもなく、周りの熱気に流されるまま漫然とW杯を、日本代表を消費していました。

当時の記憶を遡ってみると、トルシエジャパンの選手たちに関していえば、中田英寿稲本潤一のプレーは記憶に焼き付いていますし、赤髪の戸田和幸の姿も鮮明に覚えています。

他国の選手で言えば、ベッカムヘアーがブームを巻き起こしたイングランド代表のデイビッド・ベッカム、大五郎カットで同じく話題を呼んだブラジル代表の怪物ロナウドなど、プレー以外の面での記憶がより濃厚に残っています。

自国開催のW杯ということもあり、バラエティ番組でサッカー関連の企画がたくさん行われていたのもよく覚えています。特に印象的なのは、SMAPxSMAPで行われていたフットサル対決です。メンバーが各国のスターになりきってプレーしていましたが、その時点で白紙だった私の脳内サッカー世界地図に一定の方向づけを行ってくれたのがこの番組だと言えます。ブラジルやアルゼンチン、ドイツやイングランドが強豪国なんだなというのを、この番組をきっかけに知ることになりました。

試合についてよく覚えているのは、決勝のブラジルvsドイツの一戦です。メディアでのプレビューでは、ブラジルの圧倒的な攻撃陣の紹介にほとんどの時間が割かれ、ドイツはクローゼという若いFWがどこまで活躍できるか?という話をしていたような気がします。さらに同級生のサッカー好きの少年が学校で私に、ドイツには世界最強GKのオリバー・カーンがいるよと教えてくれました。これをきっかけに、徐々にサッカーを見る視点、攻撃と守備、両チームのストロングポイントとウィークポイントなどを意識してみると面白いな、ということに気づき始めました。

今のようにサッカー観戦にどハマりするのは、それから10年近く後のことになります。この2002年大会で、私のサッカーファンとしての人生がスタートしていたと言うことができそうです。

¡Cómo no te voy a querer!

とても気分がいいものです。心のクラブ Real Madrid の快進撃は、とどまるところを知りません。

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今シーズンここまでの戦績

ここまでの戦績は、14勝2分0敗。私がマドリーをみてきた10数年で、ここまで負けないシーズンはなかったように思います。

今シーズンはスーパーカップの優勝から始まり、リーガで10勝1分、チャンピオンズリーグでは、MatchDay 4 までで3勝1分でグループステージの突破を決定しています。

二つの引き分けは、リーガでのホーム・オサスナ戦とCLでのアウェイでのシャフタール・ドネツク戦です。

生活のバイオリズムがマドリーの勝敗に大きく左右される私にとって、マドリーの快進撃はそのまま私の生活の好調を意味します。この数ヶ月、生き生きと過ごすことができたのはすべてマドリーのおかげと言っても過言ではありません。

ベンゼマバロンドール受賞

昨シーズン、リーガで27得点、CLで15得点の大活躍の末、ついに我らがカリム・ベンゼマバロンドールを受賞しました。長年、クリスティアーノ・ロナウドを前線でサポートする偽10番として縁の下の力持ちを演じてきましたが、昨シーズンはついに自らの怪物としての真価を発揮したといえます。34歳にしてキャリアハイ、あっぱれの一言です。

またクルトワもヤシン・トロフィーを受賞しました。昨シーズンのマドリーの強さの根源は、クルトワが止めてベンゼマが決める、というこの2点に尽きます。もちろん他の要因もたくさんありますが、この2人がいなければ到底成し遂げられなかった偉業でしょう。

11節のセビージャ戦を前に、ベンゼマにはモドリッチジダンから、クルトワにはイケル・カシージャスから、それぞれトロフィーが手渡されました。レジェンドたちの登場によって、マドリディスタ歓喜の瞬間を迎えました。

若手の台頭

今季のマドリーは、シーズン前にマルセロやイスコ、ベイル、さらに直前にはカゼミロと、これまでマドリーに数々のタイトルをもたらしてきたレジェンドたちが退団し、世代交代が注目されていました。

最も心配されていたカゼミロ後釜問題ですが、モナコから新加入のフランス代表、22歳のチュアメニが、見事にその穴を埋めてくれました。カゼミロほどの守備におけるカバーエリアの広さはありませんが、チュアメニは確かなボールスキルによってモドリッチ・クロースを補完するプレーもこなすことができ、マドリーの新たな中盤の要としてはや定着しているように見えます。

中盤といえば、昨シーズンまではフェデ・バルベルデの台頭が著しくありましたが、そのフェデは今季から完全にエストレーモの位置でプレーするようになりました。高い位置でその推進力を存分に発揮し、強烈なミドルシュートによる得点を幾度も決めています。まさに覚醒。

フェデの右エストレーモでの覚醒によって、不安視されたのがロドリゴの出番です。昨シーズン終盤は、ロドリゴ出場時はフェデが中盤orベンチでしたが、今季はその併用にも目処が立ちました。ベンゼマが怪我で不在のとき、ファルソヌエベとしては機能しなかったアザールに変わってそのポジションで躍動したのがロドリゴでした。また、ベンゼマ復帰後はトップ下のような位置でもプレーし、ロドリゴ特有の密集地帯を貫いていくドリブルによりチャンスを量産しています。フェデとの共存、ヴィニシウスとのコンビネーション。後半戦に向けて、期待できる前線のユニットが整いつつあります。

今後に向けて

W杯まであと20日程度。負けなしで行くことができたならベストですが、W杯に出場する予定の選手たちには、怪我なく大会を迎えて欲しいという思いがあります。大会で存分に力を発揮し、また年末からベルナベウで最高のプレーを見せてくれることを期待しています。

今後の注目選手として、トニ・クロースを挙げておきます。彼はすでにドイツ代表を引退しており、当然ながらW杯に出場することはありません。彼のようなベテランが、W杯期間中フルで休めるというのは非常に大きいことです。最近は世代交代を意識した振る舞いを見せており、ますます好感が持てる、頼りになる存在としてチームを支えてくれています。

中断開け、まずはトップフォームのトニ・クロースの1.5ヶ月ぶりの美技を拝むところから再開しましょう。

「坊っちゃん」再読

中学2年生の頃に読んで以来、15年ぶりに夏目漱石の「坊っちゃん」を読みました。

当時は訳もわからず読んだ記憶があるばかりですが、こんなにおもしろい小説だったのかと驚いています。これを読んだ当時のことを思い出すと、国語の先生が読めと言うから読んだだけのことだったように記憶しています。同級生の秀才が読んでいたということも手伝ってか、当時ろくに読書をしていなかった私は、朝読書の時間に少しずつ読んでいました。これしきのページ数の本にしては随分と時間をかけてなんとか読み切ると、国語の先生に褒めてもらえました。なぜこれを読むと褒めてもらえるのか、当時はよく理解できていませんでしたが、今となっては中学生がこれを読むハードルの高さをなんとなく理解できる気がします。

中学生の自分は、坊っちゃんのような「親譲の無鉄砲」とは似ても似つかぬ人物でありました。しかし分別の怪しい年代だったと言うこともあり、坊っちゃんが作中で他人の行動や発言を理解できないことに共感していました。

今改めて読んでみると、赤シャツや野だのような人物が世にたくさん存在することは理解できます。だからこそ江戸っ子で気持ちのよい坊っちゃんの行動に爽快感を感じずにはいられません。

「いやなやつをぶっ飛ばす」という物語だというのは昔も今も変わりませんが、その捉え方はまるっきり違うものになっているように思います。当時の自分にとって、気に入らないやつをぶちのめして学校を去る姿はかっこよく映っており、憧れのような気持ちを抱いておりました。今では憧れというよりは、よくあいつらに一発食らわせてくれた、という賞賛というか、立ち上がって拍手を送りたくなるような気持ちになっています。

一文一文が面白く、「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」ではじまる最初の章だけでも、その無鉄砲エピソードのひとつひとつがおかしくて、そうかと思うと人情めいたくだりが突然やってくるところも魅力であると思います。

もし読んだことがなければ、最初の一節だけでも読んでみてはいかがでしょうか。

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